薔薇の名前編 > バラ基礎知識 2007年6月15日 :作成

ロサ・ワトソニアナについて

ロサ・ワトソニアナとは

 正しくは、ロサ・ムルティフローラ・ワトソニアナ(Rosa multiflora watosoniana
 日本原産の、シンステラ節
 ロサ・ムルティフローラは、一般的にはノイバラの名称で知られる。
 なのでワトソニアナも、ノイバラの変種と考えられている。

 ただしロサ・ワトソニアナは、一般的には、庄之助薔薇(ショウノスケバラ)という和名の方が有名。その花がバラ科で最も小さく、葉も一見バラとは思えない変わり種。
 笹のように見える葉が、そよ風にきらめく様子から、金絲薔薇(きんしばら)という美しい別名を持っている。

シンステラ説について

 シンステラ節の仲間には、他にテリハノイバラヤブイバラなどがある。
 いずれも日本の里山では、昔からお馴染みの品種。
 気候変動に適応力があること、病害虫に強いこと、沢山の花を咲かせる性質など、西洋原産のバラにはない長所を持っていた。
 なので、これらの実生が西洋に伝わり、現代バラの品種改良に大きな貢献をなした。

 例えば、大いにツルを伸ばして葉を茂らせ、パーゴラやトレリスに涼しげな木陰を作るランブラーという品種や、可憐に沢山の花を咲かせるフロリパンダという品種も、シンステラ節の長所を生かした現代バラである。

ロサ・ワトソニアナの花

左写真のように、葉の形状が柳か笹のように見える。
その 事から、バンブー・ローズという英語名も持っている。

左右とも神代植物園にて撮影
07/05/22

写真をクリックすると、拡大します

上は花のクローズアップ。
この様に小さな花が、枝先に密集して咲く。一つの花は、直径がわずかに7〜8mmほどしかない。しかしその花弁はきちんと5枚そろっており、同じバラ科の桜に似ている。
外周に近くなるほど、ピンク色に染まる様子が可愛らしい。